選ばれる会社であり続ける
前職、水産の加工貿易会社で働いていた私は、カナダ産ズワイガニの加工をアジアの工場で新たに立ち上げるよう一任されたことがあります。
当時の食品業界は表示問題や異物混入などが社会問題として取り沙汰されており、私としてはどんな会社に依頼するか大いに悩んだのですが、結果的には杓子定規に「設備が手入れされているか」「命令系統はきちんとしているか」「管理体制は万全か」という点に重きを置いて選考を始めました。
ちょうどその頃、日本向け冷凍食品を製造する海外工場で、薬物混入事件が起きました。混入は設備や技術的なものではなく、雇用問題や人間関係の鬱憤を晴らすための現地従業員による犯行でした。
私は「決して他人事ではないな」と思い、新しく選んだ工場では管理体制等を厳しくチェックさせていました。
そんな日々の中でも、従業員が全員、笑顔がとても素敵で、働いている姿もとても熱心なことに気付きました。他の工場で見られた悲壮感も、この工場にはありませんでした。
ある時加工場の皆さんと食事をする機会があり、スタッフの一人に「何故みんなこんなに明るく熱心に働けるのですか」と尋ねたところ「うちの会社は、誰かのお誕生日にはこんな風にみんなでお祝いするのですよ」「社長がプレゼントをくれるのです」「だから明るく働けます」との返事。
私はそうかっ!と思わず叫びそうになりました。「人為的な事故を起こさせない為には、社長や管理職が従業員をぎゅうぎゅうに縛るのではなく、1人1人に寄り添い、ケアしていくことが大切なのだ」と気付き、私はこの加工場に信頼を寄せました。加工は程なく軌道に乗り、以降も大きな問題はなく、取り組みはうまくいきました。
私達ファイブの仕事は、お客様の製品が売れるよう、販売促進のサポートをする事です。同業他社の中から、お客様に「選ばれる」にはどうすれば良いでしょう。管理体制や設備、機能、営業の質など、お客様の要望に沿っている事が重要です。選ばれる為にはそうあらねばなりません。
そんな会社機能を動かすのは全て人です。ということは、冒頭の経験から学んだように、「1人1人に寄り添い、ケアしていくことが大切」だと私は考えています。それでこそ社員は「お客様から選ばれる会社でありたい」と思えるのではないでしょうか。
私たちは、お客様から選ばれ続ける会社であるよう努めてまいります。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
株式会社ファイブ -F.I.B-は
「フレキシブル(F)なアイデア(I)でお客様のブレイン(B)」
となり、社員一同、皆さまと一緒に歩んで参ります。
2025年1月1日
株式会社ファイブ
代表取締役 馬渕 功