言葉には、明日が宿っている。

2019年に新潮社が出した広告のキャッチコピーです。
平成が終わり、令和の時代になる――新しい時代の幕開けに希望があるよう祈りを込められた言葉なのではないかと、当時は感じました。

今見返すと「言葉」そのものの真意を表しているように感じられます。
言葉には刃よりも鋭利な鋭さがあって、どんな万能薬よりも効く癒しの力もあります。
言葉を知り、理解し、そしてどのような時、場所で、どんな相手にそれを伝えるのか。
それらを考えなければならない時代に随分前からなっています。

社会で仕事をするようになってから、思いやりは優しさではなく、知識だと知りました。
知識がなければ相手の状況すら慮ることもできません。
何気なく使う励ましの言葉が刀になる時もあれば、厳しい言葉が妙薬になる時もあるのは、その言葉の使い手が、言葉に宿る凶器も安息も学び、理解をしているから他ならない。

だからこそ、言葉には自分自身が宿っていて、その人自身の明日を形成していくのだと、私は思います。

目に映ることのない内面を形にして見せるのが、その人自身が選んだ言葉たちです。
今一度、自分はどんな言葉を選び、どんな自分を形作っているのか。
そこに目を向けて無知を恥、相手に寄り添える人間になりたいと思います。

業務 高木